こんにちは、アートジム教務課です。
あっという間に11月も後半、落ち葉が舞う季節になりました。
今月後半の石膏像は、シーザー胸像です。
有名な古代ローマの政治家シーザー(カエサル、紀元前100年~紀元前44年)の胸像、ということですが、シーザーより100年以上前の人物、アンティオコス3世胸像とも言われているそうです。
石膏像の元になった像が、こちらのルーブル美術館蔵のアンティオコス3世首像です。
ルーブル美術館のサイトでは、横顔も見ることができます。
こちらは石膏像の横顔です。石膏像の方が少し歳を重ねて威厳があるようにも見えます。
石膏像は衣装をつけていますが、元の像からはどんな服装をしていたのかわかりませんね。
アンティオコス3世(紀元前241年~紀元前187年)はアレクサンドロス大王の死後、大帝国が分裂してできた王朝の一つ、シリアを中心に栄えたセレウコス朝の6代目君主です。紀元前3世紀から2世紀にかけての人物で、弱体化しかけていたセレウコス朝の領土を広げてインドにまで遠征しましたが、晩年にはローマ軍と戦って敗れています。
ちなみにヴァチカン美術館蔵のシーザー首像の写真はこちら。
素人目には髪型や生え際の感じ、額や眉間のシワなどは、何となく似ているようにも見えましたが、いかがでしょうか。ちなみにシーザーは髪の薄さを気にしていて、目立たないように工夫した髪型が今でも「シーザーカット」と言われているそうです。
ルーブル美術館のサイトによると、アンティオコス3世像は紀元前25年から紀元後25年頃の作品で、イタリアで制作・発見されたようです。シーザー没後のイタリアでの作品ということで、シーザー像と見られたのも無理はないかもしれません。
さて肝心の石膏像デッサンですが、御茶の水美術学院のYouTube動画からデモンストレーション動画をお借りしてきました。ご参考にどうぞ。